アパート・マンション経営で大切なのは物件選びです。物件選びでは、築年数や外観といった条件だけではなく、どのような会社が管理しているのか、利便性はどうなのかというリサーチも必要です。
アパート・マンション経営を成功させる「優良物件を選ぶためのポイント」について紹介します。
優良物件選びのポイント
不動産投資における優良物件とは、一言で言えば「キャッシュフローがいい」物件です。空室率が低く家賃収入が安定しており、将来的に売却できる可能性が高い物件は、投資家にとっての優良物件となります。
このような物件に求められる条件は、「アパート・マンションで暮らす人が満足できる住環境」を提供できる物件です。
具体的には、交通の便がよく、学校や病院、スーパーなど生活に必要な施設が周辺に整っている、治安がいい、築浅で設備がしっかりしている物件は概ね満足度の高い物件と言えます。
都市と地方はどっちがいいのか?
優良物件の立地についてさらに掘り下げてみましょう。不動産投資は全国各地どこでもできますが、全てが成功するとは限りません。
都市と地方で異なる不動産投資のメリットとデメリットについて解説します。
地方物件のメリット
地方物件を選ぶメリットは、初期投資を極力抑えられる面にあります。都市部と地方、投資金額が同じ5,000万円だったとき、都市部では築古のアパートやマンションしか購入できない可能性があります。しかし地方であれば、中古を購入せずとも新築のアパートを建てることができるでしょう。
地方では借入額も減らせるため、賃料が安くとも十分に利益を生み出すことができます。
地方物件のデメリット
地方物件のデメリットは「そもそも入居する人がいない」という点にあります。若い人材は都市部に流入し、地方の過疎化はこれからも進んでいくでしょう。土地も家も余っているため、わざわざアパートやマンションに住まわないという人が多く、新築のアパートでも立地を間違えれば空室だらけという光景も見られます。
空室率はそのまま収入に影響しますから、地方でのアパート・マンション経営は物件選びの確かな目がなければ難しいのです。
都市にある物件のメリット
一方、都市部にある物件は空室率を気にせず経営できるというメリットがあります。立地条件がよほど悪くなければ入居者に困ることはないでしょう。
アパートやマンション管理を行う会社も数多くあるため、きちんと選べば管理会社の質に悩まされることもありません。不動産投資初心者でも安心してアパート経営が行えます。
都市にある物件のデメリット
しかし、都市部の投資物件はどうしても価格が高くなってしまうのがネックです。いくら入居者に困らなくとも、収支計算がおざなりになってしまっては資金繰りが思うようにいかなくなることもあるでしょう。
投資物件にかかる費用は、購入費用だけではありません。共有部分の光熱費はもちろん、設備のメンテナンスやリフォーム、居室の原状回復費用なども必要です。
都市部でアパート・マンション経営をする際には、まず「借入金額と収入のバランス」をしっかりと計算し、将来的に赤字を生まないように注意しましょう。
都市部がおすすめな理由
このようにアパート・マンション経営は地方と都市部どちらを選んでもそれぞれにデメリットはあります。それでもどちらかを選ぶのであれば、断然都市部がおすすめです。
アパートやマンションはいくら初期投資額を抑えても、家賃収入がなければ利益を生むことはできません。空室が目立つようになると賃料の値下げも検討しなければいけません。そうなると利益はどんどん減少していきます。
それに加え、地方ではもともとの地主がすでに立地条件のいい場所にアパートやマンションを建設しています。これから不動産投資を行いたいと思っても、そもそもいい土地・物件がない、という状況が考えられます。
都市部では現在でも人口流入が止まらず、首都圏や関西の都心部では住環境の整備が追い付いていない状況です。過疎化に進む地方とは異なり、都市部であればこれからも賃貸物件の需要は下がらないことが予測されるため、安定した経営ができるでしょう。
人気が高い物件の立地
さらに収入を上げたいのであれば、人気の高い立地にあるアパートやマンションを持つ必要があります。
もっともおすすめなのはやはり駅から近い物件です。アパート・マンションから徒歩10分以内にある物件は、建物が古くとも入居率も高いでしょう。
しかし駅の近くにいい物件があっても、慌てて掴むのは得策ではありません。その地区の住人の年齢層に着目し、アパートやマンションで暮らすのが難しい「高齢者の多い地区」は避けてください。
周囲に同じようなアパートやマンションが多い地区は確かに物件選びの指標になりますが、その分賃料の価格競争が激しいため、投資初心者にはおすすめできません。
その他立地で着目したいこと
アパートやマンション経営は、都市も地方も単身者向けが良いとされています。需要が高いため空室リスクが低く、不動産投資初心者でもキャッシュフローがわかりやすいからです。
地代が高い駅近では経営が難しいという方は、次の点に着目し物件を選んでみましょう。
単身者に必要なものがそろう場所
駅が遠くても、駐車場が整備されているアパートやマンションは需要があります。また、物件の徒歩圏内にコンビニ・スーパーがあるかどうかも重要です。
単身者が賃貸物件を選ぶ際、重要になるのは「食」です。手軽に食事ができる場所や購入できる場所があれば、入居希望者へのアピールポイントになります。
もう一つ、コインランドリーやクリーニング店が徒歩圏内にある物件も人気です。家族向け賃貸では病院や学校の存在が重要になりますが、単身者向けでは上記のポイントを踏まえて優良物件を探し当てましょう。
建物の外観も重要
優良物件に需要なのは、立地だけではありません。アパートやマンションの外観も物件選びの大切な要素となります。
外観が重要とはいっても、「豪華絢爛」である必要はありません。シンプルでモダン、洗練されたデザインや、「目立ち過ぎない落ち着いたカラーリング」の外観も人気です。単身者でも女性向けなら、洋風なデザインもいいでしょう。
建物のリフォーム履歴も要チェックです。屋根および外壁の塗装はどうなっているのか、設備の入れ替えは行われているか確認します。
その他外観を見るときには、建物のデザインだけではなく、共用スペースもよくチェックしてください。駐輪場やごみステーションが荒れている物件は住民トラブルが起こりやすく、あまりおすすめできません。
設備について
最終的に購入する物件を迷ったときには、「自分が住みたいかどうか」を一つの基準にするといいでしょう。
特に毎日暮らすうえで大切な「設備」のチェックは入念に。オール電化なのか、違うのであればガスはプロパンか都市ガスか、冷暖房は整っているか確認します。少しでも気になる部分があれば、簡単かつ低価格でリフォームできるのか調べてみましょう。
また、住環境が地域環境に合っているかも物件選びのポイントになります。例えば暑い地域でほとんど暖房が必要ないのに暖房設備が整いすぎている、寒い地方なのにガス暖房で光熱費が高上がりといった物件はやめておきましょう。
必要以上に設備が多い住宅は、ランニングコストがかかりすぎて家主にも負担をかけてしまいます。
まとめ
アパート・マンション経営を考えたときには、可能な限り人の多い場所にある物件を選びましょう。単身向けであればコンビニや食堂、クリーニング店の近く、家族向けでは学校、病院の近くがおすすめです。
外観は、共用部分がよく整理されているシンプルモダンな建物が人気です。購入前には必ず気になる物件に足を運び、最終的には「自分が住みたいと思える物件」を選びましょう。