農地の管理に困ったらシェア農園に登録してみよう

農地の管理に困ったらシェア農園に登録してみよう

現在活用していない農地の管理に困っていませんか?しばらく利用していない遊休農地の管理や活用に迷ったときには、シェア農園に登録し市民農園として土地を貸し出してみましょう。

しかしシェア農園として活用する際には、そのメリットとデメリットについて良く知っておきたいところです。ここでは、シェア農園のメリットやデメリット、シェア農園の始め方について解説します。

【目次】農地の管理に困ったらシェア農園に登録してみよう
  1. シェア農園(市民農園)とは
    1. シェア農園のメリット
    2. シェア農園のデメリット
    3. シェア農園の始め方
  2. 手放すことも考えている場合

シェア農園(市民農園)とは

シェア農園とは、農地を持たない市民でも農業を行えるよう、農地の所有者が市民に土地を貸し出す場です。シェア農園では、その他にも子どもの体験農園、高齢者の健康促進のための農業体験などを行う農園もあります。

農地の所有者がシェア農園を開設する際には、特定農地貸付法、農園利用方式、市民農園整備促進法のいずれかを選び手続きを行います。

特定農地貸付法による市民農園では、市民に直接農地を貸し付け、賃料を受け取ることができます。

農園利用方式では地主が農地の管理を行い、市民から入園料を受け取り、農作業体験をしてもらいます。

市民農園整備促進法では、市民への農地貸付と農作業体験、どちらもできますが休憩所やトイレ、駐車場といった施設整備が必要です。

さまざまな方法で活用できる市民農園は近年、都心部でも農業が楽しめるとしてその面積は全国的に増加しています。国土交通省が発表した「市民農園をめぐる状況」によると、1992年には全国で202haであったシェア農園の面積は、10年後の2002年に930ha、2016年には1,371haと順調に面積を増やしています。

今やシェア農園は、市民だけではなく農地所有者からも大きな注目を集めています。しかしシェア農園を始めることで得られるのはメリットだけではありません。シェア農園としての遊休農地活用で、知っておきたいメリットとデメリットを見ていきましょう。

シェア農園のメリット

シェア農園の最大のメリットは、利用していなかった農地を活用することで収入を得られることです。それ以外にも次のようなメリットが考えられます。

遊休農地の増税対策ができる

農地はその他の土地よりも固定資産税において優遇がなされています。しかし遊休農地や耕作放棄地について、2017年より「協議の勧告」を受けた遊休農地については課税が強化されることとなりました。

協議の勧告を受けてしまうと、固定資産税の額はおよそ1.8倍となってしまいます。すべての遊休農地に適用されるわけではありませんが、遊休農地をシェア農園として活用し、増税されないよう対策をしておきましょう。

街の活性化に寄与できる

シェア農園で収穫祭などのイベントを行うことで、街の活性化へとつなげることができます。イベントによって農園の知名度が上がれば、その分収入も増やすことができるでしょう。シェア農園を運営することで、収入を増やしながら地域への貢献も同時に行えるようになります。

シェア農園のデメリット

しかしシェア農園として運営するためには、次のようなデメリットがあることも覚えておきましょう。

営利目的で栽培できない

農地を区分けして市民にそのまま貸し付ける「特定農地貸付法」で運営を行う場合、利用者は営利目的で作物を栽培することができません。必ず「営利目的で栽培しないこと」を契約内容に盛り込みましょう。

しかし、市民が栽培し余った作物を他人へ配ることに対しては制限がありません。基本的には自家用を目的として栽培することを強調しておきましょう。

このように営利目的で農地を借りられないことから、利用者が制限されてしまうこともあります。特定農地貸付法でシェア農園を開設するときには、なかなか農地を借りたい市民が現れないかもしれないというデメリットが考えられます。

人とのかかわりが増える

シェア農園という性質上、どうしても多くの人とのかかわりが生まれます。借り手となる市民の中には、農園のルールを守らなかったり、他の市民とトラブルを起こしたりといった困った人もいることでしょう。また、もともと人との関りが苦手という方がシェア農園を運営し続けるのは難しいかもしれません。

開設に伴い準備が必要

シェア農園を開設するためには、さまざまな準備が必要です。農業委員会での手続きはもちろん、開設に伴う申請書類等の書類作成、場合によっては自治体と協議を行わなければいけません。

さらにシェア農園をPRするための広告作成、市民からの問い合わせへの対応も必要です。農地周辺に住まう住民への説明も必要となるでしょう。シェア農園の開設には、思っていたよりも時間や手間を取られることがあります。

シェア農園の始め方

シェア農園の始め方は、特定農地貸付法、農園利用方式、市民農園整備促進法のどれを利用するかによって異なります。

特定農地貸付法での始め方

特定農地貸付法では、農業委員会と市町村、それぞれと手続きを行う必要があります。市町村とは、市民農園の運営管理や閉園後の農地管理・利用法について貸付協定を結びます。さらにシェア農園の貸付期間や賃料について貸付規程を定め、上記の貸付協定とともに農業委員会へ提出し手続きを行いましょう。

貸付協定と貸付規程の作成方法は、お住いの市町村窓口で確認し作成してください。手続き後、農業委員会で承認を得ることができれば農地をシェア農園として利用できるようになります。

農園利用方式での始め方

農園利用方式では特に規制がないため、特に申請や手続きをすることはありません。ただし、農園利用方式を利用する場合には「所有者が農業経営をしていること」が必須となるため、遊休農地の活用には向かないでしょう。

市民農園整備促進法での始め方

市民農園整備促進法によってシェア農園を開設する場合には、さまざまなハードルを乗り越える必要があります。市民農園整備促進法では、周辺の道路整備や施設整備が必要となるため、書類上の手続きの他に工事や建設作業を伴います。

この方法では大型の農場でなければ開設が難しく、しかも市街化調整区域内では「市民農園区域」とされている地域でなければ開設できません。よって、市町村に対し、農地を市民農園区域にしてもらうための申請を行います。

この方法を利用するときには、まず市民農園の整備運営計画を市町村に提出しましょう。認定が下りた後は、農業委員会の認定を受けることなく市民農園として農地の開発・整備を行うことができます。

手放すことも考えている場合

遊休農地をシェア農園とする場合には、多くの手順を踏み、時間をかけて手続きを行わなければいけません。もし農地を手放してもいいと考えている場合には、シェア農園として活用せずそのまま売却したほうがいいでしょう。

農地を売却することでまとまったお金が手に入り、農地の管理からも解放されます。毎年の固定資産税も支払うことがなくなりますので、農地の維持や管理が難しいと感じている方は売却について改めて考えてみてはいかがでしょうか。

まとめ

遊休農地をそのままにしておくことで、いつか現在よりも高い固定資産税を支払わなければいけないときが来るかもしれません。そのようなことにならないよう、シェア農園として市民に貸出し、活用する方法を考えてみましょう。

しかし、シェア農園では思ったよりも収入が得られなかったり、手続きが複雑であったりと良いことばかりではありません。管理や維持の難しい農園は、思い切って売却することを考えてみましょう。

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