インバウンドの増加によって、現在日本では宿泊施設が足りない状況です。そこで今、民泊は大きな注目集めています。
特に人気なのが、海外で生まれ日本にもすでに浸透した民泊システム「Airbnb」です。このサービスではインターネットを通じて「部屋を宿泊施設として貸したい人」と「宿泊場所を確保したい人」をつなぎます。利用されるのは投資用のマンションや居住している住宅などが主です。
ここでは急成長する民泊ビジネスを手軽に始められるAirbnbのホストになる方法や必要資金、ホストの口コミなどについて紹介します。
Airbnbのホストになるには
Airbnbのホストになるために必要なものは、宿泊場所として貸し出せる部屋、初期費用、申込手続きに必要な書類が主です。まずはAirbnbのホストになるための手続きから見ていきましょう。
手続きの流れ
自分で1から民泊を始めるとなると、PRだけでも多くの資金を必要とします。しかしすでに民泊システムとして世界中の人が利用しているAirbnbでは、サイトにホストの登録をするだけで手軽に民泊ビジネスを始めることができます。
まずは登録と広告作り
まずはAirbnbの公式サイト(https://www.airbnb.jp/)にて、リスティングを作成します。リスティングとは、Airbnbを利用するユーザーが部屋を選ぶために閲覧する広告のことです。
ここでは住所、部屋の形態、ベッドの台数、バスルームやアメニティについてなど細かな情報を入力し、部屋の写真を掲載します。
部屋のタイプはまるまる貸し切り、個室タイプ、シェアタイプを選択できます。まるまる貸し切りでは1室すべてをユーザーに貸し出しますが、個室タイプでは部屋のみ貸出し、他は共有、シェアタイプは個室も用意されておらず、すべての空間がシェアされるようになります。
リスティングで大切なこと
広告作りで大切なのは、きれいな写真と適切な価格設定、そして広告文です。写真はプロに頼む方もいるほど力を入れるべきポイントですが、一眼レフを扱って写真を撮れる方であれば、自分で撮影しても問題ないでしょう。
価格設定では、季節ごとに適切な価格を設定しておくことが大切です。年間同じではなく、観光シーズンには価格を上げ、シーズンオフでは少し下げて客の入りがよくなるようにしましょう。
広告文は他のホストを参考に、物件の特徴やメリットについてわかりやすく記入しましょう。
必要書類一覧
Airbnbのホストに登録するだけならすべてネットで申し込みが完結しますが、2018年6月15日から施行される「住宅宿泊事業法」によって、民泊事業を行う場合には届け出が必要になります。
同年3月15日より各地方自治体で申請受付が始まりますので、次の書類を用意し窓口にて提出を済ませましょう。
- 「住宅宿泊事業届出書」(http://www.mlit.go.jp/common/001207779.pdf 15ページから)
- 住宅の図面
- マンションの管理規約
- 誓約書
届け出る自治体によっては、そのほかの書類を求められることもあります。届け出を提出する前に、自治体窓口に問い合わせてから書類を用意するといいでしょう。
住宅宿泊所業法の注意点
この新しい法律では、利用者の増加とともに増える民泊トラブルを避けるためにも様々な規制を設けています。
民泊を始めるにあたり、年間宿泊日数は180日までとなっています。民泊として利用する住宅にも制限があり、現在居住している住宅か入居者を募集している賃貸のみが対象です。
全く利用していない家屋や入居者募集をしていない賃貸、そもそも住宅部分ではないガレージなどは民泊ビジネスの対象外となりますので注意しましょう。
住宅宿泊所業法で義務付けられること
住宅宿泊所業法が施行されると、ホストは宿泊者の名簿を作らなければいけなくなります。利用者が外国人である場合には、快適性を確保するため、宿泊者が対応している言語で案内図を作ったり、家電の使用方法を明記したりしておかなければいけません。
利用者の安全や衛生面を守るのもホストの義務です。民泊で利用する部屋は常に清潔にし
ます。狭い部屋に大勢の人を詰め込むような利用方法はできません。
安全面では、消防法にのっとり火災報知機や消火器の設置をおこない、建築基準法に違反していない住居を利用しましょう。
保証金や手数料はいくらかかるのか?
Airbnbへの登録は無料ですが、利用すると手数料が発生します。ホストに登録し無事に予約が完了されると、すぐにホストサービス料として代金の3~5%が引かれます。基本的には3%です。
保証金がかかるのはホストではなく宿泊者側です。しかしAirbnbの場合、宿泊者が予約時に保証金を支払うことがありません。
この保証金、宿泊時のトラブルに利用できるものなのですが、宿泊者側に保証金がかからないということは、トラブルがあっても補償されないのか気になります。
宿泊者が住宅からチェックアウトした後、万が一住宅に損壊があった場合には、宿泊者に直接問い合わせるのではなく、まずAirbnbに問い合わせます。
保証金の請求方法
トラブルがあった場合には、問題解決センターにアクセスします。ここに証拠書類や証拠写真をアップロードし、宿泊者情報と損害情報を伝えましょう。
この後は直接宿泊者とのやりとりになります。ただし問題が解決しなかった場合には、Airbnbを仲裁者とすることもできます。
もしものときも手続きは簡単ですので、安心して利用しましょう。
ホストの口コミ
住宅スペースを貸し出すだけで簡単にビジネスが始められるAirbnbは、すでに多くの方がホストになり全世界の旅行者に利用してもらっています。
とはいえ、海外観光客を宿泊させるとなると様々な苦労があるようです。ここからは実際にホストとなって収入をあげている方の口コミを見ていきましょう。
家賃代を稼げる
元々Airbnbのホストをするという気持ちで1室分多い部屋を借りました。利用者には空いている空間を利用してもらうわけですが、盛況なときには家賃代と同程度の収入が月に見込めます。
まるまる貸出しではないため、宿泊者選びは慎重に行っています。その為か、これまで目立ったトラブルはありません。ただし、このような形態でホストをやるときには日常英語は必要であると感じます。
Airbnb 代行会社を利用すると楽
本業とは別に民泊をやっているので、面倒なことはすべてAirbnb代行会社を利用しています。代行会社を利用しても、利用料は宿泊費用の数%のため利益率はさほど落ちません。
立地や建物の条件にもよるとは思います。小さな部屋で1泊数千円のホストをしているのであれば、代行会社を利用するメリットはあまり感じられないと思います。
すべて自分でやるよりも確実に収入は減りますが、その分本業に影響が出ないので助かっています。
トラブルが起こることもある
海外と日本では生活習慣が違うため、どうしてもトラブルは起こり得ます。小さなことですが禁煙の部屋なのに喫煙の跡があったり、小物などを壊されてそのままだったりしたこともあります。
少々のことであれば謝罪していただければ特に気にならないのですが、さすがに騒音トラブルで近所の方に迷惑をかけてしまったときはまいりました。
と言っても、いつもトラブルがあるわけではありませんし、大半の宿泊者はとても誠実です。Airbnbでは、ホストが宿泊客に対して評価を付けられるため、低評価を嫌う方はしっかりとした対応をしますよ。
まとめ
Airbnbによる民泊ビジネスは、空いているスペースさえあればだれでも簡単に始めることができます。部屋はあるけれど、忙しくてそこまで手が回らないという方は、代行サービスを利用して収入を得るという手もあります。
2018年6月以降は、法規制により宿泊日数が制限されるため民泊ビジネスもこれまでよりは利益が下がってしまいますが、副収入としてはまだまだ魅力的です。
ホスト側の登録はとても簡単ですので、まずはAirbnbにてリスティングの作成を行ってみてはいかがでしょうか。