土地をコンビニに貸すと儲かるのか?メリットとデメリット

土地をコンビニに貸すと儲かるのか?メリットとデメリット

土地活用の1つの手段として、コンビニ用として土地の貸し出しを考える方も少なくありません。

持っている土地をコンビニとして貸し出し活用する場合、大きく分けて「リースバック方式」と「事業用定期借地方式」の2種類から活用法を選びます。この2つの違いをきちんと理解していないと、思ったよりも利益が得られないこともあります。

ここでは、土地をコンビニとして貸し出すことのメリットとデメリット、さらに土地を貸し出す際の流れについて解説します。

【目次】土地をコンビニに貸すと儲かるのか?
  1. コンビニに土地を貸すメリットとデメリット
    1. メリット
    2. デメリットやリスク
  2. コンビニで土地活用する方法
    1. リースバック方式とは
    2. 事業用定期借地方式とは
  3. コンビニに土地を貸す際の流れ
    1. コンビニ経営ができるかどうか確認
    2. 需要があるか事前チェック
    3. コンビニ業者を決める
    4. 契約
    5. 建設業者を決める
  4. まとめ

コンビニに土地を貸すメリットとデメリット

まずはコンビニに土地を貸す際のメリットと、意外と知られていないデメリットについて見ていきましょう。

メリット

コンビニに土地を貸す最大のメリットは、その収益性の高さにあります。コンビニは建設費自体も安く、初期投資の割に大きなリターンを期待できます。人気の土地活用法であるアパート経営よりも利回りが高く、借主のコンビニ経営が軌道に乗っていれば長く安定的に賃料収入を得られるでしょう。

また、この後に詳しく解説する「事業用定期借地方式」であれば、初期費用もかかりません。

さらにコンビニは都心部・郊外に関係なく需要があります。建設する地域によっては、周辺に買い物ができる店舗がないことから、住民や長距離ドライバー等にも喜ばれるでしょう。

今やコンビニはただのお店ではありません。各種支払いや通販商品の受け取り、物品の発送、ATM、自賠責保険の加入など様々なサービスが展開されています。コンビニは高齢化が進む地域においても重宝されることでしょう。

デメリットやリスク

このように、コンビニは他の土地活用法より利回りが高くとても魅力的に思えます。しかし一方で、いくつかのデメリットやリスクを抱えていることを忘れてはいけません。

最大のデメリットとなるのが、地域によって出店制限があることです。都市計画に基づきコンビニが出店できない、コンビニ側が出店しないと決めている地域がある等、「どのような土地でもコンビニを誘致できる」わけではありません。

無事出店できたとしても、店舗の利益が悪ければ本部によって撤退を余儀なくされてしまうことがあります。コンビニは撤退にとても慣れているため、撤退決定から撤退までが素早いという特徴もあります。

「長く安定的に貸し出せると思ったのに、お店がなくなってしまった」ということも考えられるのです。捕らぬ狸の皮算用をしてしまうと、大きな損失を被る可能性があります。

また、郊外のコンビニの建設費用が割高になっていることをご存知でしょうか。コンビニの中にイートインスペースを設けたり、ATMを複数台設置するためのスペースを設けたり、さらには大型トラックが入れるように駐車場を広くとったりと、以前よりも初期投資額が増加傾向にあります。

さらに、固定資産税や都市計画税の優遇が受けられないというのもデメリットでしょう。このように、コンビニへの土地貸し出しは一見高収益に思えますが、リスクが高く安定した収入が見込めないことがあります。

これらのことから、コンビニによる土地活用はコンビニ経営に適した場所に土地を持っており、安定性よりも収益性を求めている人に向いているといえるでしょう。

コンビニで土地活用する方法

冒頭で少し触れましたが、コンビニで土地活用する方法は大きく分けて2種類あります。リースバック方式と事業用定期借地方式にはどのような違いがあるのか、詳しくみていきましょう。

リースバック方式とは

リースバック方式とは、簡単にいうと「土地と建物の両方をコンビニに貸し出す」方式になります。このとき建物の建設資金は、協力金としてコンビニ側が土地のオーナーに貸し出すか、オーナー側が用意するかのどちらかとなります。

コンビニ側から建設協力金を受け取った場合には、建物の名義は土地のオーナーとなるものの、建物についてはコンビニ側の要求通りに建設しなければいけません。

協力金を受け取ると初期費用は掛かりませんが、建設費用のローンは賃料と相殺し返還する必要があります。ただし、リースバック方式を利用すると、土地のオーナーは相続税の優遇を受けることができます。

長年利用していない土地の相続税が心配、なんとか土地活用したいという場合には、リースバック方式による貸し出しを考えてみてもいいでしょう。

しかし問題は「建物がオーナー名義のため毎年固定資産税がかかる」という点と、契約年数が長くとも20年でその後賃料を下げられてしまう可能性が高いということです。より安定的に長期間土地を貸し出したい方には向かないでしょう。

事業用定期借地方式とは

事業用定期借地方式とは、事業用に利用される土地を一定期間貸し出す方式のことをいいます。貸し出す期間は10年以上30年未満と、30年以上50年未満の2つのタイプがあります。

契約期間を終了した後、借主は原則として土地を更地にしてから貸主へ返却しなければいけません。これにより、土地のオーナーは労せずコンビニ用の土地として貸し出すことができます。毎年安定した賃料が欲しいという場合には、事業用定期借地方式での貸し出しを考えてみましょう。

コンビニに土地を貸す際の流れ

最後に、コンビニに土地を貸し出す際の流れを紹介します。コンビニへの土地貸し出しを考えている方は、こちらを参考に手続きを進めてみてください。

コンビニ経営ができるかどうか確認

コンビニへ土地を貸し出すデメリットのひとつに「コンビニが経営できない土地の可能性」について挙げました。まずはコンビニ経営ができる土地なのか確認しておきましょう。

自分の所有する土地が土地計画法でどのような区分になっているのか、コンビニの建設の可否については、土地を管轄する自治体に直接聞いてみましょう。

需要があるか事前チェック

具体的にどのぐらいの需要があるのか、商圏人口を推定しある程度の利益を計算しておきましょう。商圏人口とは、商圏内にいて買い物に来てもらうことができそうな人の数のことです。商圏はいつでもそのお店に来れる人が住んでいる範囲と考えてください。

コンビニは店舗が多く、ほとんどの人が自宅から一番近いコンビニを選びがちです。よってスーパーやデパートよりも商圏が狭く、それに伴い商圏人口も少なくなります。

また、近隣に競合するコンビニが何店舗あるのかも商圏人口に関わります。最終的に、出店が見込めるかどうかはコンビニ側がマーケティングによって判断しますが、事前に自分でもある程度調べておくと良いでしょう。

コンビニ業者を決める

実際に土地を貸し出すコンビニ業者を選定します。コンビニ業者は複数ありますから、初めからこの業者と決めておかず、複数社の提案を受けとり吟味しましょう。

なぜなら、コンビニ業者によって賃料にも違いが出るからです。なるべく高い賃料で貸し出したいのであれば、複数の業者にマーケティングを依頼するといいでしょう。

コンビニ業者の選び方としては、「地域ではどのコンビニが人気か」というのもひとつの指標となるでしょう。地域によって「勝てる」コンビニ業者が異なりますので、長く賃料を受け取りたいのであれば、選定は慎重に行ってください。

契約

契約するコンビニ業者を決めたら、いよいよ本契約に向けて動きましょう。契約時、気を付けたいポイントがいくつかありますので見ていきましょう。

まずは契約年数と契約終了後の更新間隔をしっかり見ておきましょう。契約するコンビニ業者によって、契約年数や契約終了後の更新間隔に違いがあります。

賃料が高くとも契約期間が短い、契約終了後の更新時から大幅に賃料が下がってしまうなど、不利な内容が無いようにチェックしておきましょう。

リースバック方式の場合、中途解約によるペナルティ条項の設定も必要です。建設費を土地オーナーが出した場合にはコンビニ業者が、建設協力金によって建設した場合には土地オーナーが「中途解約時に建設費の残債を請求できる」といった条項を契約時に明記する必要があります。

建設業者を決める

最後に建物の建設業者を決めましょう。貸し出すコンビニに取引している業者があるのであれば、そちらに任せたほうが手間もなく安心でしょう。

自分で建設業者を選定する場合には、「土地活用に関して詳しい建設業者」を選ぶようにしましょう。近隣のコンビニがどこの建設業者で建てたのか、調べてみるのもひとつの手です。

土地活用に詳しくない建設業者や営業担当を選んでしまうと、建設プランや手続きに差が出てしまうことが考えられます。「土地活用に慣れている担当者でお願いします」と、建設業者に直接頼んでみましょう。

まとめ

土地活用としてコンビニに土地を貸し出すと、その他の土地活用法よりも利益率が高いことがわかりました。ただし、コンビニ経営が認められている土地なのか、コンビニの需要が高いのか事前に調査しておく必要があります。

土地を貸し出す際には、リースバック方式か事業用定期借地方式のどちらかを選択し貸し出します。契約時にはオーナー側が損をしないよう、賃貸料や契約期間について気を配り、少しでもいい条件で土地を貸し出せるようにしましょう。

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