駐車場経営を始めたい人向けのオープンまでの流れ

駐車場経営を始めたい人向けのオープンまでの流れ

初期投資額も少なく管理も簡単、土地活用の初心者でも気軽に始められるのが駐車場経営です。しかし駐車場経営を始めるにあたり、何を用意すればいいのか、事業計画はどのように立てればいいのか、初めてのことばかりで戸惑うことも多いでしょう。

駐車場経営を始めたい人が最初に知るべき「駐車場オープンまでの流れ」について解説します。

駐車場経営を始める際の流れ

駐車場をオープンするまでの細かな流れは次の通りです。

  1. 管理形態を決める
  2. 業者を探して問い合わせる
  3. 土地の調査
  4. 経営プランを提案してもらう
  5. 事業計画を立てる
  6. 委託契約
  7. 工事開始
  8. オープン

駐車場の形態がコインパーキングか月極駐車場かでオープンまでにかかる期間は異なります。整地のみの青空駐車場であればすぐにでも開業できますが、建物が必要な立体駐車場であれば数か月、コインパーキングでは1ヵ月弱が開業までの目安です。

駐車場の管理をどうするか

動き出す前に、まずは駐車場の管理をどうするか決めておきましょう。

最も利益が大きいのは、すべてを自分で管理する「完全自主管理」になります。しかしトラブル対応やクレーム処理も自分で行わなければならず、副業で駐車場経営を考えている方にはおすすめできません。

面倒な管理だけを誰かに任せたい場合には、部分的に管理を業者に委託することもできます。これならトラブル対応は管理会社に任せることができますが、管理料が発生します。

土地活用初心者におすすめなのは「一括借り上げ方式」です。一括借り上げ方式では、オーナーは駐車場の管理をする必要もなく、毎月固定の賃料を管理会社から受け取ることができます。これなら収支の計算もしやすく、オーナーにはリスクがないため安心して駐車場経営ができます。

自宅から遠い土地で駐車場経営をする場合やコインパーキング経営をするときには、まず管理を委託する業者を選定しましょう。駐車場管理を行う会社は数多くありますので、実績や口コミで選ぶといいでしょう。

現地調査

現地調査では、駐車場管理を委託する業者が土地に関する調査を行います。形状と広さ、土地周辺の環境、周辺駐車場の状況と交通量を現地で確認し、需要予測を立てます。

完全自主管理の場合には、どのように機器を設置するか、出入り口はどこに取り付けるのか等も自分で調査し決めなければいけません。

土地を持っていない場合

余っている土地を駐車場として活用するのではなく、そもそも土地を持っていない場合でも駐車場経営は可能です。もちろんそのための土地は探して購入しなければいけません。

これから土地を購入して駐車場を始める方は、コインパーキング経営がおすすめです。コインパーキング、しかも一括借り上げ方式なら、手間なく駐車場経営ができます。

駐車場に向いている土地

コインパーキングに向いているのは、駅や大きな病院周辺、商業地区周辺です。地方の土地でも、こういった施設の近くであれば十分利益が期待できます。

月極駐車場の場合には、アパート・マンションが林立している住宅街が向いています。

事業計画を立てる

資金を借りて土地活用するときには、現地調査を終えた後、資金を借入するための事業計画を立てます。

事業計画では、市場調査を業者に依頼し、収支予測を立て、なぜその事業をするのか、どうやったら事業が成り立つのか、すべて考えなければいけません。

計画を立てる際のポイント

事業計画は、次の6つのポイントに注視し立てましょう。書式や形式に決まりはありませんので、まずは自由に書きだしてみましょう。

1.事業の骨組み

最初に事業の大まかな構想をわかりやすく端的に述べます。事業を行うものの(オーナー)プロフィール、経営理念、事業のコンセプトを短くまとめましょう。

2.目的とビジョン

駐車場経営の場合、目的としては「駐車場がなくて困っている人のため」に開業するという流れが自然です。

病院周辺の土地で経営する際には、「診療を受けたいのに駐車場がなく困っている」、地方の商業施設周辺であれば、「店舗数が減り一定の施設でしか買い物ができないのにもかかわらず、駐車場が足りない現状」などに訴えてみるといいでしょう。

駐車場ができることで、その地区が活性化する可能性がある、といったビジョンも考えられます。

3.事業内容

事業内容には駐車場の形態、価格、サービスの特徴、事業におけるリスクを記します。

4.マーケティング戦略

その土地における駐車場の需要や環境、どうやって利用者を増やすのかそのアプローチ方法などを書いていきましょう。

マーケティングを業者に依頼した場合には、調査結果を参考にしましょう。管理を委託する場合には、委託業者についても記載します。

5.利益予測

売上・利益計画書、予想損益計算書を作り添付します。自分に都合のいい数字ではなく、客観的に考えられているものに仕上げましょう。

6.資金計画

開業に必要な資金と調達方法、収支計画を立て、収支計画表を作成します。事業開始から数年間分、月ごとの収支計画を記載します。

必要な支出は、借り入れ資金の返済、管理委託料、機器のリース料、固定資産税などが考えられます。

事業計画を委託業者が提案してくれることもある

このように事業計画はとても大変ですが、一括借り上げを依頼できる業者であれば、事業計画の提案も行ってくれることがあります。

事業計画書の作成に自信がない方は、事業計画の提案をしてくれる業者を選びましょう。

機材の購入や委託契約を結ぶ

事業計画が通り、資金調達ができればいよいよ管理会社との委託契約を結びます。契約の際には、以下の点に注意しましょう。

初期投資費用について

委託する会社により、オーナーが負担する初期費用が異なります。同じコインパーキングの一括借り上げでも、初期費用込みの会社と初期費用はオーナー負担の会社があります。

整地とアスファルト舗装工事費用はどちらが持つのか、契約の前に必ず確認しておきましょう。一般的には、一括借り上げであれば初期費用は掛かりません。

賃料の変更

オーナーが受け取る賃料を委託会社が勝手に変更できる契約になっていないか確認しましょう。契約書の隅々までよく読みこまないと、実はオーナー側が不利な契約であることもあります。

契約の中途解除

契約後、中途解約についてどのように定められているか確認しましょう。オーナー側の中途解除には違約金が発生することもあります。

機材の購入について

コインパーキングを自主管理で経営する場合には、コインパーキング用の機材を自分で購入しなければいけません。機器の購入には100~300万円ほどかかります。

工事の開始

駐車場用の土地を整地し、機器や看板を取り付ける工事を行います。

工事期間はどれくらい?

荒れた土地やアスファルトがボロボロに崩れているような土地では整地に時間がかかります。

一般的な工事では、アスファルトを敷き、ラインを引いて車止めや精算機、看板を設置します。期間はおおよそ1週間、長くても2~3週間あれば完成するでしょう。

オープン

すべての準備が整いオープンした後、完全自主管理で経営する方は駐車場内のトラブルや機器トラブルに注意しましょう。新しい機器だからと言って壊れない保証はありません。

駐車場内のトラブルでは、事件・事故によって警察沙汰になることもあるでしょう。利用者からのクレームにも上手に対応しなければいけません。

一括借り上げ契約の際には、「固定資産税は今まで通りかかる」ことを覚えておきましょう。機器代やその他管理料、初期費用も掛かりませんが、年に1度の固定資産税はオーナーの負担です。

まとめ

このように、駐車場は「自分で管理するのか」「すべてを業者に委託するのか」で経営内容が大きく変わってきます。

自分で管理する場合、最大のメリットは利益の大きさにありますが、初期費用がかかること、リスク管理も自分でしなければいけないため手間もストレスも負担が大きいことがデメリットに挙げられます。

一括借り上げのコインパーキングであれば、すべての業務を業者に委託し、オープンまでオーナーの手間がほとんどかからないというメリットがあります。オープン後もオーナーは毎月一定の賃料を受け取るだけです。ただし、経営状態が悪化すると賃料を大幅に下げたり、一方的に契約を解除する業者もありますので、業者選びは慎重に行いましょう。

関連ページ

駐車場経営の初期費用や経費、投資利回り、メリットとデメリット
駐車場経営で失敗する人の特徴と成功するためのコツ
コインパーキング駐車場の稼働率の平均値と上げる方法
駐車場料金の値上げで収入を増やそうとする際の注意点
月極駐車場とコインパーキングを比較するとどっちが儲かる?
東京(新宿や渋谷)や大阪の駐車場の料金相場
コインパーキング経営のタイムズやユアーズなどの評判を比較