太陽光発電の発電量と売電価格、今後の動向と補助金

太陽光発電の発電量と売電価格、今後の動向と補助金

手軽かつ比較的安定した収入を得られることで人気の太陽光発電ですが、これから始めても十分な収益があげられるのかが気になるという方も多いでしょう。年々売電価格が引き下げられていますが、2018年も買取価格は前年比-3円の1kwhあたり18円(外税)との発表がありました。

太陽光発電でどれだけの収入が得られるのかは、発電量や売電価格を知ることで予想することができます。2018年2月現在の太陽光発電はどの程度の収益が見込めるのか、今後の動向や補助金も含め太陽光発電について詳しく解説します。

【目次】太陽光発電の発電量・売電価格と補助金
  1. 太陽光発電の発電量と売電価格
    1. 発電量の計算方法
    2. 売電期間と売電価格
    3. 実際に計算してみよう!
  2. 太陽光発電の補助金について
    1. 補助金は3カ所からもらえる可能性がある
    2. 国からの補助金
    3. 都道府県からの補助金
    4. 市町村からの補助金
    5. 補助金をもらうための条件
  3. 太陽光発電の今後の動向について
  4. まとめ

太陽光発電の発電量と売電価格

まずは太陽光発電の発電量と売電価格について詳しくみていきましょう。

発電量の計算方法

発電量は、「Ep = H × K × P × 365 ÷ 1」という計算式で求められます。

記号 意味
Ep 年間予想発電量(kwh/年)
H 1日当たりの年平均日射量(kwh/平方メートル/日)
K 損失係数約73%
P システム容量(kw)
365 年間日数
1 標準日射強度(kw/平方メートル)

この計算式で求められる発電量はあくまでも予測値であり、実際に運用してみると発電量が大幅に変わってしまうこともあるため注意が必要です。特に計算式中のK(損失係数)は、機器の種類や受光面の汚れ・雪によってロス率が変わります。

H(年平均日射量)は、「NEDO」にて確認できます。

例えば年平均日射量を調べ値が3、システム容量が10kw、損失係数が75%だったとき、計算式にあてはめると「4×75%×10×365÷1」となり、平均発電量は「11,096kwh/年」であることがわかります。

売電期間と売電価格

平均年金発電量がわかれば、「平均年間発電量×売電価格×売電期間」の計算式で年間どのぐらい収益が出るのかがわかります。ここからは売電期間と売電価格についてみていきましょう。

売電期間

太陽光発電は、一定期間国が電力を買取してくれます。発電量10kw未満の住宅用で10年、10kw以上の産業用で20年が、買取期間です。

土地活用における太陽光発電では、ほとんどが産業用にあたるでしょう。一般的な住宅屋根での太陽光発電は4~5kwほどです。

売電価格

2018年の買取価格が決定し、住宅用は25円から28円、産業用で18円+税となりました。住宅用に関しては2019年の価格も決定しており、24円から26円となっています。

売電価格は徐々に引き下げられていますが、2017年度と比べ住宅用が2円、産業用は3円安くなっています。ただし、外税となる産業用については、消費税上昇に伴い買取価格も上がります。

実際に計算してみよう!

発電量の計算方法で例題に挙げた平均発電量をもとに、実際にどれぐらいの収益が見込めるのか計算してみましょう。

  1. 「4×75%×10×365÷1」となり、平均発電量は「11,096kwh/年」。
  2. 10kw以上は産業用となるため、国による買取期間は20年、価格は18円+税となる。
  3. 計算式は「11,096kwh×18円×20年」となり、20年間で得られる収益は税抜き3,994,560円、約400万円の収入が見込める。

※産業用売電価格は外税のため、税率が変われば売電価格も変わります。

太陽光発電の補助金について

売電価格が引き下げられている太陽光発電では、土地活用におけるうまみが少ないのではないか?という疑問が生まれます。しかし太陽光発電には一定条件を満たせば国、都道府県、市町村から補助金がもらえます。

補助金は3カ所からもらえる可能性がある

上記のように、現在補助金は3カ所からもらえる可能性があります。ただし都道府県や市町村の補助金については自治体によって内容や金額が異なる点には注意しなければいけません。

また、国からの補助金も純粋に太陽光発電によるものは撤廃されています。太陽光発電をどのように運用することで補助金が受け取れるのか解説します。

国からの補助金

太陽光発電に関する補助金はすでに終了しています。しかし固定期間買取制度が始まった2009年に太陽光発電を導入した住宅は、2019年になると固定買取期間が終了してしまうため、新たに「蓄電・蓄熱導入に関する補助金」が2018年より開始されます。

この補助金は太陽光発電に利用する蓄電・蓄熱設備を購入する新築および中古戸建が対象ですが、すべてにおいて補助金が適用されるわけではありません。補助金を受け取るための要件と補助金額は次のようになっています。

  • 予算84億円に達した時点で終了
  • 10kw未満の家庭用太陽光発電に限る
  • 中古住宅の場合、エコ改修が必要
  • 蓄電・蓄熱設備は通信規格「ECHONET Light」対応、AIF認証取得済みであること
  • 補助金の上限は1戸あたり5万円

このように受け取ることができる補助金が少なく、かつ満たさなければいけない要件もあることから、この補助金を受けるために蓄電池を導入するのは難しいでしょう。

あくまでも、10年間の固定買取が終わってしまった住宅で、「売電よりも自宅用にエネルギーを貯めておきたい」かた向きの補助金です。土地活用目的で産業用太陽光発電を行っている方は対象になりません。

都道府県からの補助金

都道府県からの補助金について、千葉県、大阪府、埼玉県、新潟県を例に紹介します。その他の県については、各都道府県庁のホームページを参考にしてください。

千葉県

千葉県では、住宅用と事業用それぞれで太陽光発電の補助を行っています。住宅用では太陽光発電の導入、蓄電池・蓄熱設備の導入に補助金を支払い、事業用では太陽光を含む再生可能エネルギー設備の導入に関する特別融資を行っています。

住宅用では、太陽光発電に関する助成を行う各市町村に県が振り分ける形です。補助金額や内容は、市町村によって異なります。千葉県の場合、県に直接補助を申請するのではなく、市町村窓口で申請してください。

大阪府

大阪府では、太陽光発電導入のための特別融資を行っています。150万円までを1%という低金利で資金の借り入れができます。

埼玉県

2018年以降の補助は決まっていませんが、埼玉県では2017年に住宅用蓄電・蓄熱設備に5万円、事業用の太陽光発電には60万円を上限とする補助を行っていました。

埼玉県の特徴は、事業用太陽光発電の補助が行われるのは公益法人に限るという点です。

新潟県

新潟県では、家庭用の太陽光発電について1kw2~2.5万円、30万円を上限として補助金が受け取れます。事業用では2,000または5,000万円まで1.65~2.15%の低金利で特別融資を受けることができます。

市町村からの補助金

全国の市町村で太陽光発電および蓄電・蓄熱設備導入のための補助を行っていますが、地域によっては全く補助金がないこともあります。

市町村でも都道府県と同じように、太陽光発電設備を新しく導入する際の初期費用に対して、kwごとにいくら、工事費用の数%分という形で受け取ることができます。

特別融資という形で低金利ローンが利用できる場合もありますので、どういった補助制度があるのか、補助金やローンに詳しい業者もしくは市町村に直接尋ねてみましょう。

補助金をもらうための条件

補助金をもらうための条件は、補助金を交付する都道府県、自治体によって異なります。補助金をもらうための申請も、契約前・契約後・工事完了後などさまざまなため、まずはお住いの自治体に問い合わせてみましょう。

自治体の窓口で補助金について問い合わせる際には、同時に都道府県の補助金についても尋ねてみることをおすすめします。千葉県のように、自治体が県に申請しなければいけない場合もあるからです。

近年では、住宅用の補助金をもらうための条件に「省エネ住宅であること」が義務付けられていることも多くなりました。中古住宅では太陽光発電と同時にエコ改修が必要なこともありますので注意しましょう。

設置単価

太陽光発電システムの設置単価は、1kwあたり平均25~35万円ほどです。現在、日本国内における太陽光発電システムの設置費用は年々引き下げられています。1年間の価格推移でみても数万円安くなることもあり、売電価格が下がっても設置費用も安いためトータルでの利益幅はさほど変わりません。

さらに都道府県や自治体から設置費用の一部を補助してもらうことができます。補助金額はお住いの地域によって異なりますが、購入費が下がれば利用するローン額も減り、売電価格、設置価格の両方が高かったころよりも補助金を利用してうまく運用することでより高収益を狙えるでしょう。

設置機器

補助金は太陽光発電システムだけではなく、蓄電・蓄熱設備も対象となっていることがあります。上記でも解説した通り、蓄電・蓄熱設備に関しては国、都道府県、市町村それぞれで補助を行っています。こちらについても、補助金に詳しい業者か自治体に直接問い合わせてみましょう。

太陽光発電の今後の動向について

太陽光発電はこれまで国からの固定買取や各種補助金によって大きな利益を得てきました。しかし現在までに買取価格は大きく引き下げられ、国は補助金を打ち切り、自治体でも補助を縮小している傾向にあります。

それに伴い太陽光発電システム自体が大きく値下げされ、これまでよりも小さな資金から太陽光による土地活用を行えるようになっています。ローン返済額が小さくなる、もしくは資金を借り入れしなくても太陽光発電を行うことができれば、利益幅はおのずと大きくなります。

今後もこれまでの流れと同じように、売電価格が引き下げられ、太陽光発電システムも値下げされるようになるでしょう。これからの太陽光発電で利益を上げるコツは、「できるだけ早く太陽光発電に乗り出し、なるべく資金を借り入れしない」ことにあるといえます。

10kw以上の産業用太陽光発電では、固定買取期間が20年あります。借入資金が少なければ、早い段階でローンの返済が終わり、以降は黒字期間に転じます。売電価格が再び引き下げられる前に太陽光発電を始め、より多くの利益を生み出しましょう。

まとめ

現在、太陽光発電は年々助成金や売電価格が引き下げられています。だからといって、太陽光発電での土地活用にうまみがないわけではありません。

太陽光発電による土地活用では、システム自体にお金をかけすぎないこと、補助金を上手に利用すること、10kw以上の産業用で長く利益を得ることがポイントです。

太陽光発電は2018年からでも間に合います。長期的に安定した収入を得たい方は、土地活用に太陽光発電を選ぶことをおすすめします。

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