アパート経営で必要な初期費用や利回り、失敗時のリスク

アパート経営で必要な初期費用や利回り、失敗時のリスク

アパート経営のメリットやデメリット、利回りや失敗時のリスクなどをまとめました。

アパート経営は、高い節税効果やハイリターンが期待できる魅力的な活用方法ですが、リスクが大きいと言われているため、敬遠している方も多いはずです。しかし、リスクやデメリットをしっかり把握できていれば、未然に失敗を防ぐことができます。

活用を考えている土地がアパート経営に適しているのか、この記事を参考にしっかりと確認しておきましょう。

アパート経営のメリットとデメリット

投資を検討する際に重要なことは、メリットとデメリットの両方を把握することです。プラスの面とリスクを同時に意識することによって、冷静な目で投資判断ができるようになります。

メリット

まずは、アパート経営のメリットを解説します。他の投資と比較すると、アパート経営に特徴的なメリットがイメージしやすくなるので、必要に応じて他の投資と比較しながらわかりやすく解説します。

長期的なリターンが期待できる

アパートやマンションなどの賃貸経営は、他の投資と比べると長期的な収益計画を立てられます。一度建てたアパートは20年以上使用できますし、オーナーの収益源となる家賃額は頻繁に変わるものではありません。現役のうちから定年退職したあとの生活資金源として、アパート経営に乗り出す人も多いです。

初期費用と、その後の管理は必要ですが、借り手がいる限りは家賃収入が得られます。株式投資のように一瞬にしてマイナス収支になることはありません。仮に利回り8%であれば約13年で元が取れ、その後の家賃収入はずっと利益になる計算です。

アパート経営をハイリスク・ハイリターンの「株式投資」と比較すると、アパマン経営は、投資の初心者にもおすすめできるミドルリスク・ミドルリターンの投資と言えます。もちろん、長期的に収益を得るためには借り手がいなければ話にならないので、空室を減らし満室経営を続けるノウハウを学び、実践していくことが大前提です。

ローンが組める

金融機関からお金借りられるのは、不動産投資に特有のメリットです。株式投資ではローンを組むことはできません。アパート経営は手元資金が建築費用に満たなくても、一定の頭金だけ用意すれば始められます。

ローンで借りられる金額は審査によって異なりますが、活用しようとする土地を担保に入れれば、建築費用の大部分をローンで賄うこともできます。いわば人のお金でアパートを建てられるのですから、資金面のハードルは下がると言えます。

初期費用の全額を一括で出せる場合でも、あえてローンを組めば手元に経済的なリスクヘッジにもなり、手元に使える現金を残せることにも注目です。

突発的な修繕など、万一のことがあったときの費用にもできますし、生活資金としての貯金もとしても使えます。経済的な余裕を持たせる意味でも、ローンは活用するのがおすすめです。

しかし、ローンの返済について楽観的になるのは避けましょう。支払い能力を超えるほどのお金を借りるのは危険ですから、ローンの返済計画は慎重に進めましょう。

副業としても始められる

毎日、アパートにつきっきりになる必要がないため、副業としてもアパート経営ができます。規定で副業が禁止されている会社もあるようですが、平日は会社に勤めながら大家業をこなしている人もいます。

ただし、「片手間でも儲かる」という不労所得の考え方は間違っているので注意してください。世の中にはアパート経営を「楽なビジネス」として捉える言い方が広まっていますが、満室経営を続けるオーナーは相応の努力をし続けていることを知っておきましょう。

清掃や見回りなどの管理業務を管理会社に任せられるのも、副業でのアパート経営を可能な理由です。複数のアパートを所有しているオーナーや、遠方のエリアに物件を持っているオーナーであれば、管理会社の利用は必須です。自分自身でどこまで管理業務ができるのか判断しておきましょう。

また、「一括借り上げ方式」によって、建設の段階から必要なすべての手配をしてくれる会社もあります。アパート一棟を借り上げて、入居者の募集から賃料の回収まで行ってくれる他、空室があっても賃料を保証してくれます。手数料がかかるとしても、賃料収入を安定させる安心を優先したい人には向いています。

節税できる

土地活用をしないで更地のままにしておくと、固定資産税や都市計画税が高くついてしまいます。住宅を建てた土地の場合、更地と比べると固定資産税は最大1/6(200平方メートルを超える部分は1/3)、都市計画税は最大1/3まで安くなりますから、遊休地である場合は、なんらかの土地活用をするのがおすすめです。

節税効果を実感してもらうために、具体的な数値で計算してみます。税率は「固定資産税が1.4%」、「都市計画税が0.3%」です。

土地の固定資産税評価額が5,000万円の場合、更地の固定資産税と都市計画税が合計で85万円になります。

  • 【固定資産税】 5,000万円×1.4%=70万円
  • 【都市計画税】 5,000万円×0.3%=15万円
  • 【固定資産税と都市計画税の合計】 85万円

この額に、それぞれ1/6、1/3の軽減措置を当てはめてみます。

  • 【固定資産税】 5,000万円×1.4%×1/6=およそ11万7千円
  • 【都市計画税】 5,000万円×0.3%1/3=5万円
  • 【固定資産税と都市計画税の合計】 およそ16万7千円

軽減措置の条件に該当した場合、85万円が16万7千円にまで安くなります。差額を単純計算すると、85万円-16万7千円=『 68万3千円 』も安くなります。

上物のアパートにも、固定資産税や都市計画税がかかりますが、更地の場合と住宅を建てる場合では税金が大きく変わるという点を抑えておいてください。アパートを建てれば賃料収入が入るので、更地にしておくのとアパートを建てるのとでは収益に大きな差が生まれます。

デメリットやリスク

メリットだけに目を奪われて楽観的に考えるのではなく、デメリットから生じるリスクを意識しながら対策を取っていくのが肝心です。どんなリスクがあるのかを具体的に見ていきましょう。

空室リスク

入居者が決まらず空室の状態では、家賃収入がないばかりか、税金やローンの支払いで赤字続きになってしまいます。アパート経営を成功させる最大のポイントは、空室をなくし稼働率を高めることが重要です。

土地活用としてのアパート経営は新築物件がおすすめです。新しい物件に住みたいと考える人は多いので、中古物件と比べると人気が高くなります。

新築物件でアパート経営を始めた当初は、入居者が集まりやすいですが、時間が経過し新築物件としての魅力が薄れた段階になると、空室リスクが徐々に高まっていきます。特に、賃貸契約の更新のタイミングが要注意です。既存の入居者に契約を延長してもらうか、新たな入居者が入らないと空室になってしまいます。

目に見えたアパートの劣化がなくても、新築時よりも入居者集めが難しくなるのは覚悟し、できる限りの空室対策を施していくことが大切です。

さらに、近隣エリアに競合となる新築のアパートが立つことも考えられます。そうなると、顧客を奪われることにもなりかねません。将来的な空室リスクは、自分ではどうすることもできない外的な要因が影響することも理解しておきましょう。

だからこそ、将来的な空室リスクを折り込んで、長期的なスパンで収益計画を立てることが重要になります。余裕を持った収益計画をつくっておきましょう。

また、周辺の開発計画に関しても、分かる範囲で調べておくのも有効です。交通アクセスの整備が進んだり、大型ショッピングセンターや学校などの教育施設の建設予定がないかなど、今後整備されていくエリアだと知ることができれば、将来の入居者集めで有利に働きます。

家賃を滞納されるリスク

契約通りの家賃を決まった時期に支払うのが当然なのですが、中には家賃を滞納する入居者がいます。入居時にしっかりとした審査を行うのも忘れないようにして下さい。勤務先や職業を確認しておくのはもちろんのこと、保証人を用意してもらうことでリスクを回避できます。

何度も滞納が続くようであれば、退去してもらうのもやむを得ません。この時、トラブルを大きくしないために必要なのは、入居時に結んだ契約書に、滞納に関する条項を入れておくことです。一般的には、「家賃の支払いを3か月怠った場合、催告なしに契約を解除できる」、のような項目を入れておきます。

ただ、専門的な話になってしまいますが、そのような文言があるからといっても3か月分を滞納しただけですぐに契約解除ができるわけではありません。

裁判で滞納者を訴えたとしても、滞納の事情によってはすぐの契約解除が認められないことがあるのです。入居者が不払いに至った事情も考慮し、「信頼関係が破壊されたかどうか」がひとつの基準となるため、契約を解除してもらうにはちょっとしたハードルがあることも覚えておいてください。

そのような事情も踏まえると、滞納者に対しては最初から強い態度で臨むよりも、まずは話を聞いてみる姿勢でいるのがベストだと思います。悪質な場合もないとは言えませんが、入居者としても家賃を滞納するのは不本意であるケースがほとんどでしょう。

実際に滞納した入居者に話を聞いてみると、「振込をうっかり忘れていたので今すぐに支払います」というあっけない言葉が返ってくることもあるようです。

滞納者が出てしまった場合には、焦らずに入居者とのコミュニケーションを取ってみてください。自分で話を聞くのがためらわれる場合には、仲介を依頼した不動産業者に間に入ってもらうのも有効です。

修繕が必要になるリスク

新築であれば今すぐの修繕は必要ありませんが、アパートは性質上、時とともに劣化が進んでいきます。人が住んでいる以上、安全を確保することがオーナーとしての使命です。定期的な点検もしなければなりません。

当然ながら、修繕にはまとまったお金がかかります。基本的には、オーナーが費用を負担して修繕することになります。一回の修繕につき数十万円以上はかかりますから、収益計画に影響をきたすことがあります。

予想もしなかった天変地異が発生しないとも限りません。形あるものはいつか壊れる運命にあることを覚えておきながらも、建築時にできる限り頑丈につくっておくことも対策のひとつです。

地震に負けない構造を採用したり、風雨に強い外壁、地盤調査の徹底など、やれることはたくさんあります。将来的に思わぬ修繕費用がかからぬよう、建築する段階で取れる対策は取っておくのが理想です。建築段階での対策であれば、実際にかかる費用を組み込みながら収益計画が立てられます。

アパート経営でかかる費用

アパート経営を始めるにあたって一番気になるのが費用だと思います。建設に必要な初期費用、劣化に伴う修繕費、その他のランニングコストの順に見ていきましょう。

建築費用の範囲を確認しよう

アパートを新築するための建築費は、あくまでもアパートそのものを建てる費用です。水道や電気など、インフラを整備するための費用がプラスされるかもしれません。さらには、駐車場など周辺を整える費用、測量費用、地鎮祭費用などが考えられます。

建築会社から提示された費用だけで済むと思っていたのに、新たに資金が必要になってしまったら、資金計画が崩れ、オーナーの日常生活にも影響を及ぼしかねません。見積もりをもらったときに、その額だけでアパートが完成すると考えないようにしておくといいでしょう。

また、業者ごとに「建築費用」の定義が異なることも知っておいてください。複数の見積もりを比較する際、建築費用の範囲はどこかを意識しながら比べる必要があります。業者の言う建築費用でどこまでできるのかを必ず確認するようにすれば、思わぬ誤解を避けることができるはずです。

初期費用の目安

初期費用の目安はいくらくらいになるのでしょうか。まず、アパートを建てる地域や耐震性、時期など、個別の条件によって費用が変わることが前提です。建設費用は一般的に坪単価で考えるので、本記事でも坪あたりの価格を構造別に見ていきます。

木造

1坪あたりおよそ40~60万円です。木造というと古い建物をイメージしがちですが、今でも2階建て低層アパートに採用されています。比較的自由に設計ができ、配管などの修繕も他の構造に比べると楽に行えるのが特徴です。

鉄骨造

1坪あたりおよそ50~70万円です。木造よりも耐久性や耐震性に優れていますが、コストも上積みされます。

RC造

1坪あたり70万円以上かかります。アパートというよりも、中高層マンションの構造として知られていて、耐震性などの建物の質も優れています。入居希望者からの人気があり、家賃を高くすることができます。

実際、いくらかかるのか

これまで見てきた坪単価にアパートの床面積を掛けることで、目安となる建築費用が算出できます。

現実的な規模として、「鉄骨造」「50坪の床面積」「2階建て」のアパートを例にとります。さきほど、鉄骨造の坪単価は50~70万円と紹介しました。ここでは便宜上、1坪あたり60万円として計算します。

(例)「坪単価60万円の鉄骨造」「50坪の床面積」「2階建て」
60万円(1坪あたりの単価)×50坪×2階=6,000万円

坪単価60万円の鉄骨造、50坪の床面積、2階建てという条件であれば、だいたい6,000万円の建築費用が必要になるということです。同じ規模の木造だとすると、5,000万円程度(1坪あたり50万円とした場合)になります。

アパート経営にかかる税金

アパート経営に関する税金は、不動産に特有のものがあり、最初は難しく感じるかもしれませんが、最低限、以下の税金について概要を抑えておけば大丈夫です。

印紙税

住宅ローンを借りる際の契約書や工事業者との請負契約書に印紙を貼ることで納めます。印紙そのものは、コンビニや法務局で簡単に購入できます。

「住宅ローンの金銭消費貸借契約書」の印紙税は以下の通りです。

記載された契約金額が1万円未満 非課税
1万円以上100万円以下 200円
100万円を超え200万円以下 400円
200万円を超え300万円以下 1千円
300万円を超えて500万円以下 2,000円
500万円を超えて1千万円以下 1万円
1,000万円を超えて5千万円以下 2万円
5,000万円を超えて1億円以下 6万円
1億円を超えて5億円以下 10万円
5億円を超えて10億円以下 20万円
10億円を超えて50億円以下 40万円
50億円超 60万円
契約金額の記載のないもの 200円

「アパートを建てる建物建設工事の請負契約書」の印紙税は以下の通りです。ただし、平成30年3月31日までに作成された建物建設工事の請負契約書については軽減措置が実施されています。軽減後の税額はカッコ内に記載しています。

10万円を超えて50万円以下 400円(200円)
50万円を超えて100万円以下 1,000円(500円)
100万円を超えて500万円以下 2,000円(1,000円)
500万円を超えて1,000万円以下 1万円(5,000円)
1,000万円を超えて5,000万円以下 2万円(1万円)
5,000万円を超えて1億円以下 6万円(3万円)
1億円を超えて5億円以下 10万円(6万円)
5億円を超えて10億円以下 20万円(16万円)
10億円を超えて50億円以下 40万円(32万円)
50億円超 60万円(48万円)

登録免許税

新築したアパートの「所有権保存登記」をする際に、登録免許税がかかります。法務局に申請書類や必要書類を出して登記申請をするのですが、申請書類に所定額の印紙を貼って納めます。登記申請実務そのものは、司法書士に依頼してしまうのが一般的です。自分で申請することももちろんできます。

税率は、不動産の価額(固定資産税評価額)の0.4%です。

ちなみに、中古アパートの購入時に実施するのは「所有権移転登記」で、税率は2%です。

土地を抵当に入れる際にも、「抵当権設定登記」を行います。土地が担保となっていることの証明になるため、ローンを組む金融機関と一緒になって必ず実施します。たいてい、金融機関が指定の司法書士を準備してくれますので、指示に従って必要書類を用意すれば問題ありません。

抵当権設定登記の登録免許税税は、不動産の価額(固定資産税評価額)の0.4%です。

不動産取得税

その名の通り、不動産を取得する際にかかる税金です。土地活用でのアパート経営の場合、新築するアパートに課税されます。土地は取得した際に課税されているので、ここでは省きます。

基本は4%ですが、住宅であれば平成30年3月31日まで3%に軽減されます。

さらに、床面積が1戸あたり40~240平方メートルなら、1戸あたり1,200万円が評価額から控除されます。たとえば8戸のアパートを1棟建てた場合、1,200万円×8戸=9,600万円が控除されます。

240平方メートルというとかなり広いですから、ほとんどのアパートはこの条件におさまります。控除額がとても大きくなりますので、アパートに対する不動産取得税はかからないと考えていいでしょう。

ただし、控除を受けるには、建物を取得した日から60日以内に都道府県に届出をする必要がありますので注意してください。

修繕費用などのランニングコスト

アパートは建物ですから、維持するためにも費用がかかります。建物そのものにかかる修繕費用の他、ローンの返済、管理会社の手数料が主なランニングコストです。

そのうち、ローンの返済額や管理会社へ支払う手数料については、いくら払うべきなのか、明確に分かります。アパート経営を計画する段階で実際にかかる額を確認し、その額を折り込んだうえで資金計画を立てていけばいいだけです。

とりわけ事前準備が難しいのが、修繕費用です。実際にいくらの費用がかかるのかは予想がつかないからです。修繕の規模によっても額は異なりますし、全壊してしまうようなアクシデントがあったとすると、建て壊しから再築まで莫大な費用がかかってしまいます。

ただ建っているだけでも時間とともに劣化していきます。外壁は雨風にさらされますし、水道管などのライフラインは日々の暮らしで使用されっぱなしです。品質を維持していくにあたって定期的な修繕が必要になりますので、一般的には10年ごとを目安に修繕計画を立てます。

また、火事や地震など、予想のできないアクシデントの影響で、急に修繕しなければならない事態もあり得ます。火災保険や地震保険への加入は当然ですが、修繕費用の積立も実施していかないと、あとあと大変なことになります。

はっきりとした額がわからないのが怖いところですが、収入の10%程度は修繕費用として積み立てておくのが目安です。使わなければそのままオーナーの懐に入りますので、準備しすぎるということはありません。余裕を持った計画を立てましょう。

災害などの突発的なアクシデントは除いて経年劣化だけを考えれば、新築物件はすぐに修繕する必要がないので、当面のところは心配する必要はありません。5年後、10年後に貯まっている額をイメージしながら少しずつ積み立ててください。

利回りの目安

投資効果を測るうえで重要な指標となるのが、利回りです。利回りとは、アパートの建設費用や修繕費用など、すべてのコストに対する収益の割合を意味します。

利回りの数値が高ければ高いほど、収益性の高い儲かる物件ということになります。同時に、初期費用をどのくらいの期間で回収できるのかも分かります。

具体的な数字を使って説明していきましょう。ここでは6,000万円のアパートを建てたとします。満室になった場合の収入を600万円と仮定します。正確な計算をするには、税金や修繕費用など、すべてのコストが必要ですが、ここでは分かりやすくするために建設費用と家賃収入のみを使います。

コストに対して収益がどのくらいの割合なのかを示すものなので、年間家賃収入をアパートの建設費用で割って算出します。

利回り=600万円(年間の家賃収入)÷6,000万円=10%

10%の利回りの場合、建設費用の6,000万円を10年間で回収できることが分かります。この数字は、建設費用と最大の賃料収入額のみを使っているので、「表面利回り」と呼ばれています。

もうひとつの利回りが「実質利回り」です。年間の家賃収入から諸経費を引いた額を建設費用に税金などの諸経費を足した額で割ります。実質的に使った額を利用した計算なので、実質利回りのほうが現実に近い値になります。

新築物件ではすぐに修繕費用がかかるわけではないので、表面利回りと実質利回りの差はそれほど大きくないと考えて大丈夫です。アパート経営の利回りは、だいたい5%から10%が目安となります。

利回りを計算するメリットは、簡単に収益性が比べられる点にあります。複数の物件を同じ条件となるように調整して利回りを計算すれば、どちらの収益性が高いのかが瞬時にして分かります。ですから、数字そのものに着目するのではなく、どちらの物件の収益性が相対的に高いのかを調べてみるのが、利回りの賢い使い方です。

利回りを比較する際の注意点

利回りは高ければ高いほどいいと考えるのは、非常に危険なので改めましょう。あくまでも目安にしか過ぎないと考え、自身の投資目的やいくらの利益が必要かを優先することをおすすめします。

あくまでも現時点での理想値に過ぎません。将来的な空室リスクや突発的な修繕など、降りかかる可能性のあるリスクは数字の中に含まれていないからです。将来的に収益性が落ちるリスクも割り引いて考える必要があります。

たとえ10%の利回りだとしても、ずっと10%が維持されるわけではないのです。空室が増えれば賃料収入が減ること、時間が経てば修繕費用がかさむことを頭に入れておいてください。

将来的な空室がどのくらいかを正確に見越すのは不可能なので、アパート経営を始める段階では、分かる範囲で諸経費を算出して投資判断を下します。

空室の頻度を正確に予想できなくても、計算上の利回りよりも低くなることを忘れなければ、投資判断の段階での大きな失敗はなくなります。リスクを踏まえずに利回りの高さに踊らされるのだけは、絶対にやめましょう。

アパート経営を始める際の流れ

次に、土地活用としてのアパート経営を始める際の流れについて見ていきます。

  • アパートの需要があるエリアかを調べる
  • 建設会社、不動産会社を選ぶ
  • アパートの建設計画を立てる
  • 資金を準備する
  • 工事の着手
  • 入居者の募集
  • アパートの完成

アパートの需要があるエリアかを調べる

エリアの状況を踏まえ、アパートに需要があるのかを多角的に探っていきます。どのような属性の人が住んでいるエリアかを調べるのも需要予測に有効ですし、各部屋のサイズや仕様を決める要素にもなります。

一人暮らしの若者が多いエリアなのか、ファミリー層が住みやすいエリアかによっても建てるべきアパートが変わります。また、交通アクセスの良し悪しや教育施設の有無も参考になります。もちろん、土地の広さや形状も考慮します。この段階から力を貸してくれる業者もいるので、積極的に相談してみるのがいいと思います。

建設会社、不動産会社を選ぶ

アパートの建設をコーディネートしてくれる業者を選びます。担当者との相性や不動産に関する経験・知識の深さなどから、総合的に判断することが大切です。

建設費用の見積もりやどんなアパートを建てている会社なのか、一度、話をしてもらうといいでしょう。通常、この段階で費用がかかることはありません。

アパートの建設計画を立てる

業者を決めたら、アパートのサイズや仕様をより具体的に提案してもらいます。土地の広さ、周辺環境、関連法律など、あらゆる要素を加味しながらアパートの建設計画をつくっていきます。

実際に現地を調査する必要がありますので、適宜、業者の要請に応じて協力してください。

資金を準備する

頭金として用意できる額など、オーナーの経済的な事情も加味しながら、ローンの借入額や返済計画を立てていきます。綿密なシミュレーションを行い、実際にどのくらいの利益が出るのかも計算します。

今後数十年に渡る収益計画なので、安易な計画では後々が大変です。金融機関とよく相談をして慎重に進めていかなければなりません。求める利益が得られる投資なのか、自分の投資目的が叶うかどうか、しっかりと見極めましょう。

工事の着手

資金面の計画と各契約が済んだら、現地での工事が始まります。

入居者の募集

工事着手からアパートが完成する間に入居者募集を進めます。不動産会社に現地の内覧会を実施してもらったり、入居希望者に現地を見てもらうなどして、プロモーション活動をしていきます。

アパートの完成

アパート経営がいよいよスタートします。当初の収益計画と現実のすり合わせをしながら、随時修正していくことを忘れないようにしましょう。

まとめ

アパート経営は、長期的に安定収入を得たい人におすすめの土地活用ですが、空室リスクをはじめとするマイナス面があることも理解できたと思います。

先ほど紹介した一括借り上げでは、業者に任せっきりにできるので、オーナーがメリットやリスクを学ぶ意味はないと思う人も、いるかもしれません。

メディアを賑わせたこんなトラブルをご存知でしょうか。賃料保証の契約だったはずが、空室が増えて賃料を下げられたあげく、オーナーの手取りも減ってしまったというものです。

しかしこの記事を読んだ人は、業者が空室リスクをどのように考えているのか疑問に思うはずです。知識があれば、きちんと確認することであらゆるリスクを軽くすることができます。おいしい話だと思ったときこそ、すこし立ち止まって冷静な判断をしてください。判断基準を身に付けるためにも、メリットやリスクの理解は非常に重要なのです。

いったんアパートを建ててしまえば、他の土地活用に後戻りするのは難しくなります。だからこそ、じっくりと検討しなければなりません。土地活用のメリットとデメリットを理解しておけば、自信を持って業者とのやり取りができるでしょう。

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