知識のないまま土地活用を始めると、利益どころか損失がでてしまう可能性もありますから、土地活用を考え始めたときにはまずセミナーや相談窓口でプロの意見を聞くのがおすすめです。
土地活用のセミナーは様々な会社が行っています。それぞれ、自社に顧客を取り込めるように魅力的なセミナー内容になっていますが、偏った系統のセミナーを受講するのは避けなければいけません。
ここでは土地活用を本気で考えた際、相談先はどこにするべきなのか、どのようなことを重点的に学習するべきなのか解説します。
- 【目次】土地活用の相談やおすすめのセミナー
土地活用を検討する際の相談先
土地活用セミナーは不動産業者だけではなく、建設会社、金融会社、コンサルティングなど多くの業種が行っています。
まずは業種ごとの特徴とセミナーを受けることでのメリットについてみていきましょう。
不動産系の会社
不動産系の会社では、賃貸仲介業者のアパート経営セミナーや、ディベロッパーのマンション・ビル経営セミナーなどが代表的です。
賃貸仲介業者
賃貸仲介業者の土地活用セミナーでは、アパート経営の実践で使える情報に強いのが特徴です。アパートの建設費用とローン、さらに収益見込みの試算精度が高く、「現実的な投資内容」を聞くことができるでしょう。
賃貸仲介業者は膨大な賃貸データを持っています。そのため、その地域での収益性や空室率、借主の傾向なども熟知しており、セミナーでは「どういった層に向けてアプローチすべきか」などの具体的な話を聞けます。
また、家賃督促方法、アパート経営の経理について、アパートの管理方法についてなどのセミナーが多く、アパート経営を考えているのなら賃貸仲介業者のセミナーは必ず行っておきましょう。
ディベロッパー
ディベロッパーとは、都市開発も行う不動産業者です。そのためセミナーの内容も規模の大きい話となっており、自己資金に不安があると足が向きにくいという特徴があります。
個人の土地活用では、ビルや商業施設、マンションを建設しテナント料を受け取いった形式が考えられます。
あまり資金を持っていない方でも、土地の評価額が高ければ「等価交換」でビルまたはマンションの一部を経営することも可能です。
等価交換では土地を業者に明け渡し、土地の評価額に見合った分の建物を業者から譲り受けることができるというものです。そのため土地を手放さなければいけませんが、より手軽に収益物件を手に入れることができます。
自己資金を減らさず手軽に土地活用したい方は一度ディベロッパーのセミナーに参加してみると良いでしょう。
建設系の会社
工務店、ハウスメーカー、ゼネコンなども土地活用セミナーを行います。建物を建てることで利益を上げる建設系の会社では、建物を建てる費用や設備の話が多いようです。
工務店
地域密着型の中小工務店でも土地活用セミナーを行っています。一軒家ほどの小さなアパートの経営について、また近年では農業者向けに太陽光発電セミナーを行うなど、地域色に富んだ形にとらわれないセミナー方式が人気です。
建設だけではなく、管理会社とのマッチングを目的とするセミナーもあります。工務店は建設からアフタフォローまで親切なことが多く、小規模アパート経営を考えている人に向いているでしょう。
ハウスメーカー
大手ハウスメーカーのセミナーではアパートやビル、商業施設といった一般的なものばかりではなく、介護施設や医療施設を建設する土地活用も提案してくれます。
土地活用を行うための資金が豊富にあり、活用する土地も広く、建物の規模・種類にとらわれる必要がないという方は大手ハウスメーカーのセミナーが合っているでしょう。
ゼネコン
大手ゼネコンは個人相手のセミナーをほぼ行いませんが、一部マンションやビルに特化したゼネコンが個人向けのセミナーを行っています。
どちらにせよ経営規模の大きな土地活用になるでしょう。
金融系の会社
銀行や金融機関でも土地活用セミナーを盛んに行っています。金融系の特徴としては、「事業がうまくいくようサポートする」セミナーであることが挙げられます。
金融系では、土地活用のための資金を融資することが目的ですから、融資先が収益を上げ、滞りなく返済されなければいけません。
そのため建設するだけで終わってしまう建設系とは異なり、将来にわたって安定的な経営をするための具体的なアドバイスを得られるでしょう。
金融系のセミナーに行く際は、ある程度の事業計画をたて、それに沿って相談に乗ってもらうという方法がおすすめです。
コンサルティング系の会社
コンサルティングと一口に言っても、その内情は様々です。元不動産、建設、司法書士などがコンサルを行っていることが多く、それぞれの経歴により専門性も異なります。
コンサル系のセミナーに行く際には、事前にどのような経歴を持つ人がセミナーを行うのか確認し、必要性の高い情報を得られるか判断すると良いでしょう。
また、税理士や会計士がコンサル系のセミナーを行っていることもあります。この場合には税務関係のセミナーがほとんどですので、土地活用が具体化され、費用と収益がある程度見通せるようになってから行くのがおすすめです。
公的機関
公的機関ではセミナーというよりも本格的な経営相談が主になるでしょう。事業計画を立て本格的な土地活用を目指している方は、公的機関への相談を検討してみましょう。
UR都市機構
都市部にあるUR都市機構にも土地活用の相談はできますが、内容の幅が狭く「思っていた土地活用と違う」と感じる方も多いかもしれません。
UR都市機構では、建物を建設する業者と土地活用を行いたい人のマッチングを行うのみで、具体的な活用の提案などは行っていません。
住宅供給公社
各都道府県にある公的機関住宅共有公社でも、土地活用の相談は可能です。ただし運営内容や相談対応の質は都道府県ごとに異なるため注意が必要です。
県によってはコンサルを請け負う住宅供給公社もありますが、手厚いサポート体制をとっている住宅供給公社はそこまで多くないでしょう。住宅供給公社のサポート内容は実際に聞いてみなければわかりませんから、気になる方は直接住宅供給公社行ってみましょう。
セミナーに参加する際のポイント
このように業種ごとで大きく特徴の異なるセミナー、実際に行く際にはどのような点に気を付けておくべきなのでしょうか。
無料と有料の違いは?
土地活用セミナーでは無料のものも多く開催されていますが、中には有料のセミナーもあります。
無料セミナーの多くは、建設会社や不動産業者が行うものです。自社のサービスや商品を売り込むためのセミナーですから、広告の意味合いが強く「情報が偏りがちである」という特徴を持ちます。
セミナー開催側に明確な目的を持つセミナーということですが、その分専門性は高くすでに土地活用法が決まっており、より細かな内容を聞きたいという方に向いています。
有料セミナーでは「投資」「資産運用」という面からファイナンシャルプランナーや税理士が行っています。
つまり、無料・有料でセミナー内容の優劣は図れません。退職金を土地活用に使いたい、老後のために土地活用で資産を増やしたいという方は、まずこちらのセミナーに行ってみるといいでしょう。
活用方法をはっきりとさせてから参加する
セミナーに参加する際には、土地活用法を決定してから赴くほうが効率よく話を進めることができます。
特に土地活用セミナーは、セミナー内容に大きく差があります。これは土地活用法が多岐にわたること、手持ちの資産と土地の広さによっても地主の悩みが異なるためです。
そのため、土地活用法を決定してから「ピンポイントに悩みを解決できるセミナーに参加する」のがおすすめです。
一般的には土地活用と言えばアパート経営と考えてしまいますが、現在はソーラーパネルによる土地活用セミナーも盛んです。
駐車場経営、店舗貸出し、借地など、どういった活用法をしたいのかはっきりさせてからセミナーに参加することで、大きな収穫を得ることができるでしょう。
まずは大手企業のセミナーに参加してみる
土地活用をしたいけれど、何から手を付けていいのかわからないという方はまず大手企業のセミナーに参加し、セミナーと土地活用の雰囲気をつかんでみるといいでしょう。
中小企業のセミナーではどうしても押し売りされるのでは?という不安が付きまといますが、大手ならそう言った不安もなく安心してセミナーを受講できます。
また、大手企業はセミナーに慣れているため、進行もスムーズです。セミナー内容も幅広く、受講するだけで「土地活用とはどのようなものか」理解することができるでしょう。
まとめ
土地活用セミナーを受けるときのポイントは以下の3つです。
- 土地活用の種類を定めていないときには大手企業のセミナーや税理士の有料セミナーを受講して土地活用のノウハウを知る。
- どのように活用するか決めた後は悩みを解消できるセミナーや個別相談のあるセミナーをピンポイントに受講する。
- 資産運用に不安があるときには金融系のセミナーや公共機関のコンサルを受ける。
これらの点を押さえ、自分の土地と資金にぴったりの活用法を見つけ、安定した収益をもたらす活用を行いましょう。